8月最後の日曜は北海道マラソン。
数年前から毎年この日は
最優先でこの予定のために空けております。
今年もエントリーを終え、
千歳JAL、当別スウェーデンの各大会を経て
当日を迎えました。
前日から雨が降ったり止んだりを繰り返し、
スタート直前になっても気温も20℃を下回る天候。
簡素な雨合羽を着て走ることも覚悟していましたが、
スタートする頃には太陽も。
実はマラソン当日の数日前から喉の痛みを感じていて、
どうやら風邪を患ってしまったようでした。
木曜日の朝に最後のランニングを終え、
痛みを取りたくて病院へ行きました。
お医者さん曰く、
「薬を飲んでまで走る必要はないですよね」
とのことでした。
ごもっともw
でも、やっぱり走りたいんです。
大した練習は重ねてないです。
でも、せっかく目指したマラソン大会なので
先生ごめんよ、走っちゃったよ。
今年はEブロック最後尾からのスタートです。
ここからだとテレビ塔のカウントダウンはまだ見えず、残念。
スタートしてから10㎞までは、
雨が激しく降ることもしばしばありました。
今年の北海道は連日猛暑が続き、
降雨量も少なかったとニュースで言ってました。
この雨がこれから実りを迎える作物たちの
恵みの雨となったのかもしれませんね。
我らランナーにも
8月のマラソンを走りぬくための
冷却水となったかもしれません。
ワタシはフルマラソンを走る時に気を付けることが一つあって、
それは
「我慢する」ことです。
周りのペースに惑わされず
あくまでも自分のペースで走ること。
簡単そうで
これがなかなか難しい。
6月の千歳JALでは
その我慢が持続出来ず
前半に想定以上のスピードで走ってしまい
その上、給水もうまくいかずに
20㎞辺りで脱水、
後半はひどく遅めのジョギングがやっとの状態で
5時間以上かけてやっとゴールしました。
なので、
今回は何があっても「我慢」を決意。
スタートしてから
たくさんの人にどんどん抜かされました。
「みんな、すごいなあ」
「ワタシだって去年より早いペースで走ってるのになあ」
余りにも沢山の人に抜かされるので
時々不安になりました。
もしかして、関門に引っかかるくらい遅いペースで走ってる?
それとも私の時計、壊れてる?
自分のペースに問題無しと気づいたのは、
北8条通から新川通へと続く道に辿り着いたときでした。
ファンランとフルマラソンのコースが分かれたあたりで
どうも真っすぐ走れません。
最初は謎でしたが、しばらくして気づきました。
私をどんどん抜かしていったであろう
ランナーの皆さんのペースが、ガクンと落ちたのです。
もうはや?
まだ1/4くらいなのに?
いやいや、明日は我が身。
ぶつからないように、呼吸が乱れないように、
慎重に走ります。
新川駅方面へ曲がってしばらくすると
応援隊の幟が見えてきました。
100mくらい遠くからもすぐに見つけられるピンクの幟。
この幟を見つけることで、これまでどれだけ力がもらえただろう。
今年も幾度も助けていただきます。
新川通へ到着。
ここから往復13㎞の修行です。
しかも往路は向かい風。
既に雨は上がったものの、道路には大きな水溜まりも残ってます。
既に折り返してゴールを目指すエリートランナーの皆さんも見えてきました。
半分まで来ました。
数週間前に走った当別ハーフ完走後は
過酷なコースと酷暑に疲労困憊で
それに比べて気持ちよく、楽しく走れるなあ。
後で確認したら、先日のハーフマラソンより
20分以上早く通過してました。
ランニングの際にいつも思うこのですが、
遅かれ早かれ走り続けていると
はるか遠くに見えてた景色が目前にやってきて、
やがてその景色は自分を通り過ぎていきます。
走るのをやめたら、遠くの景色は永遠に「遠くの景色」のままで、
絶対に自分を通り過ぎていくことはありません。
ついさっきまで遠くの景色だったが見え折返し地点が見えてきたのは
走り続けた人の特典だと思います。
今年も折返しのさんかくが、ワタシの目の前を通り過ぎていきました。
やっと追い風。待ってたよ追い風
ありがとう追い風。
復路での追い風はとても嬉しい。
25㎞を過ぎると、私設エイドが増えてきます。
沿道の応援も少しずつ増えてきます。
28㎞辺りで主人から水とゼリーを受け取りました。
これでエイドの水にこだわらなくても安心。
最初に走った北海道マラソンは
35㎞の関門を超えられなかったのですが、
それだけペースが遅いと、給水所には既に水がありません。
その時の苦い経験があり、
毎年水とゼリーを家族に託して
沿道に来てもらいます。
今年もありがとう。助かりました。
残り10㎞。
スタミナはまだ残っている。
ペースアップしても大丈夫かな。
この時までは、実は本気でサブ4.5を目指してました。
お尻の筋肉に違和感があったものの、
少しずつ上げていけば大丈夫と判断して
脚を進めました。
こんなに思い通りに走れるのは初めてかも。
そして午前中に横目で眺めた北大へ。
40㎞の関門を過ぎたところで、右腕と右膝に違和感を感じました。
何年か前、ランニングの最中に
急に片足に力が入らなくなり、
不思議に思いながらも走り続けたら
翌日から歩くのもつらいほどの痛みが走りました。
それから1か月以上走れなくなった苦い思い出。
あの時と同じ感覚でした。
腕も上手く振れません。
ペースを落とさずに走って、
痛みが出てきて走れなくなったらどうしよう。
ゴールまであと1㎞なのに。
もう少しで完走なのに。
さっきまで絶好調だったのに
もしかしたら4時間半切れたかもしれないのに。
悔しくて悔しくて
自分のスタミナ不足が情けなくて涙が出てきました。
すると、沿道で応援していた一人の女性が
「大丈夫、きっとゴールできるから。
最後まであきらめないで。」
と声を掛けてくれたのです。
そうだ、ワタシ風邪ひいてたんだ。
完走できるかどうかも怪しい感じだったのに、
ここまで走れたじゃない。
ずっと遠くの景色だった北大に戻ってこれたじゃないの。
あとはゆっくり行ったっていいじゃない。
そう、マラソンは次もあるんだから。
涙を拭いて、まずはピンクの幟を目指して
また脚を動かしました。
見えた。
遠くに見えた屯田ブリザーズのピンクの幟。
いつもより近づくスピードは遅くて
でもちゃんと辿り着けた。
そこからゴールまで100mあるかないかの距離を
信じられないくらいのトロさで移動して、
やっとゴール。
最後の2㎞は20分近く掛かりました。
40㎞までの楽しい時間と
残り2㎞の苦悶の時間。
どちらも次へとつながるよい経験となりました。
本当は悔しいけどね。
39から走り始めて
10㎞そこそこのファンランもやっとの思いで完走してた当時は
絶対に無理だと諦めていたフルマラソン。
心のどこかで「いつかきっと」と思い続け、
遠くの景色だった42㎞完走という目標を
遅いながらもいまは達成できるようになりました。
私にとって、今の「遠くの景色」はサブ4です。
練習すればきっと達成できるに違いない。
でも、圧倒的に練習が足りません。
どう考えても走ってません。
でも、ここしばらくはどうしてもその「遠くの景色」を
みたくてたまらない。
それもなるべく若いうちに。
それには走るしかないんです。
練習だけがその景色を見せてくれのだと思ってます。
なので、また走っちゃうんだろうなあ。
まずは膝の様子を見ながらジョギングから。
次は12月の湘南国際マラソンです。
初めての道外エントリー、
初めての冬マラソン。
今から楽しみです。
夜には屯田ブリザーズの皆さんと打ち上げ。
乾杯ビールでお腹パンパンになってから、
何を飲もうかなーと迷っていたら
大好物を見つけました。
でも、相方からは
「キンミヤ焼酎とかさ、男梅の酒とかさ、
あまり女性が飲むイメージ無いんだよね」
と揶揄されていたので、
お店の人に小さい声でこっそり
「男梅サワーください」とお願いしてました。
ワタシ、多分もうすぐおじさんになります。
みなさん、こんなワタクシですが
これからもよろしくです。